PERTICAさん、こんにちは②

●PERTICAさんこんにちは●

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日本の暗闇が渦巻く青山のBAR。そこは一体どんな場所だったのでしょうか。

「まず電話がかかってくるんですよね。それで今日のメニューをオーダーされるんです

ただそのメニューってのは、お店のメニューにはないものなんです

でも、その日の夜にはお店にないといけないんです(笑)」

余りにも精神的に厳しい環境だった為、3ヶ月で後を然る。

その後はなんと中途入社でアサヒビールの営業職マンへと華麗に転身。

「入社の面接で将来は飲食店を経営したいのでずっと会社で働くつもりはありません」

宣言しながらの入社。もともと営業職が好きだったということもあり仕事はしっかりこなすが

会社の飲み会にも参加しなければ上司よりも早く帰る。

「当時色んなあだ名を持ってましたよ。”忍者”とか”幽霊”とか(笑)普通、会社の飲み会とかって

お付き合いで参加しなくちゃいけなかったりするじゃないですか。最初から一切行かなかったんで

で、たまに参加すると『おお!来れたか(喜)!』みたいな感じで(笑)」

順調に働いて、資金の目途が着いたので1年と半年程でほどなく会社を円満退社。

そのあと渋谷の桜ヶ丘付近にあるトローズというお店で働きながら、物件探しをした。

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「トロ―ズが自分のやろうとしているお店のイメージにとても近かったんです。

15坪くらいで、そういうお店で働けばどれだけの仕込みの量とか、モノの配置とか具体的に分かるし

どうやったらお店が回るのかを学べると思ったので」

トローズの店主も個人でお店を経営していた。だからこそ、晃さんの想いを汲み取ってくれた。

「飲食店を経営したいので、物件が見つかったら辞めます。それでもよければ働かせてくださいって

また最初から宣言して。『それでもいいよ。手伝ってくれるなら』って答えてくれたんですよね」

料理の腕前が抜群な店主のもと、晃さんは更に技術と知識の深堀りに勤しんだ。

だが、半年後にいきなりその日はやって来た。

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「半年間で、物件が・・・見つかっちゃったんですよね。ココ(世田谷代田)で

店主には、申し訳ないなーっと思ったんですれど、物件が見つかったことを喜んでくれて。」

トローズで働きながら、内装工事を行う日々。

そして2014年9月1日PERTICA(ペルティカ)がオープンした。

「PERTICA(ペルティカ)はラテン語で「とまり木」という意味なんです。

いろいろと候補の言葉はあったけど直感で、PERTICA(ペルティカ)を選びしました。

名刺のデザインに当て込んでみて、見えづらを考えてみたりして

最初のお店で屋号とかスゴイ拘ると思うんですけれど、直感を大切にしてるんですよ。

「なんかいいよね」っていう言葉では説明しづらい感覚なんですけれど」

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お店をつくるにあたって「ひとりでも気軽にこれるお店」というテーマがあった。

このテーマの根っこは晃さんの大学生時代と一部紐付いていた。

大学に入り、茨城から上京して町田に住んでいたころ、寂しかった。

「若者って色々と悩むじゃないですか(笑)将来とか人間関係とか。

そういう事を、何か誰かと気兼ねなく話せる場所があればいいのにな。って思ったりしたんですよね。

今でこそ、お一人様向けのバルとか増えてきたように思えるけど

当時はそんな場所って東京になかなかなかったんですよね。薄暗いBARとか、なかなか行けないっすよ(笑)

だから、”一人でもふらっと入れるお店があったらいいのになぁ”とか思ってました」

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「そんな想いだったり、あと昔は何でも自分1人でできると思っていたけれど、

やっぱり一人じゃ何もできないんですよ。人と人との巡り合わせだったりとか。縁とか大切だなって。

だから自分のお店でそういった縁が結ばれる場がつくれたらいいなーとか

僕自身も人に支えられたりとかお陰さまでっていうのが沢山あったので。

あとは時代背景じゃないですけれど、SNSとか流行っていて人との関係性が

ネットの世界だけで完結してるじゃないですか。それもいいんですけど、

やっぱり人と会って話して交流することが大切だと思うんですよね。

でもそういう場所が無いからみんなネットに流れて行くんですよね。

だから人と会って気兼ねなく交流できる場所が必要だなって。

そういった色んな想いが積み重なって、このお店のイメージが出来上がってきたと思います」

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「結局は、お客さんが喜んでくれることが一番の正解だと思うんですよ。

僕が何年修行してとか関係なくて、”あぁ美味しかった”とか”愉しかった”とか、

その充実した時間を提供できるかどうかが大切だなーと」

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お客さんはお一人様が全体の6割。女性と男性は半々。

働いていたアサヒビールから、今は卸してもらう立場になった。

オープンの当初に知人や友人が予約して集まってくれたにもかかわらずビールが届かないというハプニングも。

「ビ―ルを売りにしているのに、そのビールが届かないとか。

今となっては笑い話ですけど、もうかなりパニックでしたよ(笑)」

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気が付けば、あと1ヶ月でオープンから1年が経つ。今ではご近所の人気ラーメン屋スタッフも常連だ。

「近所に住む常連さんは洗濯機を回してる間にビールを飲みに来たりとか。

風呂上りに寝間着でビールを飲みにきたりとか。そういう姿を見るとテンションあがりますね(笑)

『おぉ!これこれ!まさにこの姿だ!俺がイメージしていた店は!!』っていう感覚ですよ」

飲食店なのか家なのか、日常のひとコマの様なシーンがPERTICAさんでは日々起こっているようです。

「この前『今日ポプラで洗剤安く売ってた!』と飲まずに報告だけしてくれたお客さんがいて

そのそきカウンターで呑んでいたお客さんは唖然としてて・・・もぅ最高ですよね(笑)」

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店なのか、家なのか、ふしぎなPERTICAさん。

その魅力は、自慢の燻製料理の味や東京で一番美味しいと噂のビールもさることながら

オーナーである晃さんにあるのでしょう。

少し疲れてしまったとき、明日への活力が欲しいとき、

ひとりで静かに癒されたいとき、

ふら~っと寄ってみてもよろしいんじゃないでしょうか。

晃さんが、ほっこりした笑顔できっと迎えてくれますよ^^

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